1日1回目薬するだけで近視を抑制したい
⭢ 低濃度アトロピン(リジュセア、マイオピン)
低濃度アトロピン(リジュセア、マイオピン)は近視の進行を抑制させる点眼薬です
1. 目の奥行が長くなると近視が進行します
目の奥行の長さが短いと遠くがよく見える遠視です。目の奥行が長いと近くが見えて遠くが見えにくい近視です。小学校から高校までの成長期に目の長さが長くなり近視が進行します。
2. 低濃度アトロピン点眼は、成長期に目の奥行が長くなるのを防ぎ近視化を抑制します
- 夜寝る前に点眼するだけ。
- マイオピン0.01%点眼で2年間で15-40%近視進行を抑制した(#1, #2)。
- マイオピン0.025%点眼で1年間で55%近視進行を抑制した(#3)。
- マイオピン0.01%で副作用はみられません(#2)。
- マイオピン0.025%で羞明感(まぶしさ)があることがありますが生活に支障が出る程度ではありません(#4)。
- 点眼開始前に暗所での瞳孔径が大きいお子さんには効きにくいことがあります(#2)。
- 開始年齢6-12歳、近視度-1.0から-6.0まで。
- リジュセア0.025%は令和7年4月に国内承認され発売されました。マイオピン0.025%と同濃度のアトロピンを含むためマイオピン0.025%と同程度の近視抑制効果が期待されていますが、正確な近視抑制率は今後の研究で明らかにされます。
- 令和7年4月よりマイオピン0.025%は国内流通がなくなるため、新規に点眼を開始される方にはリジュセア0.025%かマイオピン0.01%をご提供させていただきます。
[論文]
#1 Chia et al., Atropine for the treatment of childhood myopia: safety and efficacy of 0.5%, 0.1%, and 0.01% doses. Opthalmology 119: 347-354. 2012
#2 Hieda et al., Efficacy and safety of 0.01% atropine for prevention of childhood myopia in a 2-year randomized placebo-controlled study. Jp J Ophtalmol 65: 315-325 2021
#3 Yam et al., Two-year clinical trial of low-concentration atropine for myopia progression. Ophthalmology 127: 910-919, 2020
#4 Yam et al., Low-concentration atropine for myopia progression (LAMP) study: A randomized, double-blinded, placebo-controlled trial of 0.05, 0.025%, and 0.01% atropine eye drops in myopia control. Ophtalmologt 126: 113-124, 2019
3. 低濃度アトロピンは自由診療です
近視は疾患ではないため低濃度アトロピン処方に現在保険適応がなく自由診療になります。当院では以下のように処方させていただきます。
診療の流れ
- 検査と診察:近視度、視力などをはかります。
- 処方:適応があるお子さんにリジュセア/マイオピンを処方します。初回は1本(1か月)の処方です。
- 1か月後の検査、診察、処方:1か月後に検査、診察した後、3本(3か月分)の処方になります。
- 3か月ごとの検査、診察、処方:3か月ごとに検査、診察のため受診いただき、3本(3か月分)処方させていただきます。
- リジュセアは1回1本の使い捨て点眼です。マイオピンの消費期限は開封後1か月ですので1か月ごとに点眼瓶を破棄してください。
料金
- 検査診察料 2200円(税込)
- マイオピン0.01% 1か月分1本 税込み3900円
- リジュセア0.025% 1か月分30本 税込み4200円
- マイオピン0.01% 1回目 薬代(1か月分)+検査診察料=6100円
- 2回目以降 薬代(3か月分)+検査診察料=13900円 (1か月の維持費約4600円)
- リジュセア0.025% 1回目 薬代(1か月分)+検査診察料=6400円
- 2回目以降 薬代(3か月分)+検査診察料=14800円 (1か月の維持費約4900円)
注:但し、製造元の卸値の改変時に処方価格は改定されます