眼鏡もコンタクトも使わずに遠くを見たい、近視も抑制したい
→ オルソケラトロジー(約50%近視抑制)
新しい近視矯正方法「オルソケラトロジー」のご案内
オルソケラトロジーとは
オルソケラトロジーレンズとは、特殊にデザインされたハードコンタクトレンズを就寝時に装用して近視を矯正する新しい治療法です。
「角膜矯正用コンタクトレンズ」に分類され、一般的なコンタクトレンズの「視力補正用コンタクトレンズ」とは分類が違います。
オルソケラトロジーは、角膜の形状を変えることから治療の一環として眼科で取扱われており、レンズ使用費用と診療代をあわせて自由診療扱いとなっています。
夜にレンズを着ければ、日中は裸眼でも良好な視界。
オルソケラトロジー治療は「オルソケラトロジーレンズ」というコンタクトレンズを寝る前に装用して、寝ている間に眼の角膜を矯正する治療方法です。
日中はレンズをつけなくてもよいので、快適な生活が送れます。
※効果には個人差があります。
他の矯正方法との比較
名称 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
オルソケラトロジー | ・昼間は裸眼で過ごせる ・スポーツに向く ・手術は不要 ・治療を中止すれば角膜は元に戻る ・近視進行抑制効果が期待できる |
・夜間に継続して装用しなくてはならない ・強い近視や乱視・遠視は矯正できない |
コンタクトレンズ | ・強い近視や乱視でも矯正できる ・メガネに比べ視野が広い |
・メガネに比べると手軽につけはずしができない ・誤使用による眼障害の危険がある |
メガネ | ・手軽にかけたりはずしたりできる ・手入れが簡単である |
・見える範囲が狭い ・激しい運動には不向き |
レーシック | ・常に裸眼で過ごせる ・ケアの手間や追加費用がかからない |
・見える範囲が狭い ・激しい運動には不向き |
オルソケラトロジーはどんな治療?
手術せずに特殊なレンズで角膜の形を矯正
オルソケラトロジーレンズは、内側に特殊なデザインが施された、高酸素透過性のハードコンタクトレンズです。その特殊なデザインのコンタクトレンズが、寝ている間に角膜形状を平らに矯正することで、近視の改善を行います。そのため、翌朝レンズをはずした後も矯正された角膜形状は一定時間保たれるため、日中は裸眼でも良好な視界(※1)の快適な生活をお過ごしいただけます。
※1 オルソケラトロジーレンズでの矯正を始めてから視力が安定するまでは、メガネや使い捨てコンタクトなどを一時的にご使用いただく場合があります。また、効果の現れ方には個人差があります。
近視矯正の仕組み

装用前(近視の状態)
眼は入ってきた光を角膜と水晶体で屈折させて、網膜上で焦点を合わせることにより像として捉えます。近視では目の奥行が長いため、この焦点が網膜より手前で結ばれるために像がぼやけて見えます。

装用中
レンズを就寝時に装用することで、角膜前面の形状が平坦化し、焦点が網膜上で結ばれて近視が矯正されます。

装用後(裸眼時)
レンズによって平坦化された角膜前面は、レンズをはずしても一定時間形状を保つため、日中は十分な裸眼視力が維持されます。
レンズは、内側に特殊なデザインが施された、高酸素透過性のハードコンタクトレンズです。その特殊なデザインのコンタクトレンズが、寝ている間に角膜形状を平らに矯正することで、近視の改善を行います。そのため、翌朝レンズをはずした後も矯正された角膜形状は一定時間保たれるため、日中は裸眼でも良好な視界の快適な生活をお過ごしいただけます。
オルソケラトロジーを続けると近視進行が抑制されます
オルソケラトロジーを継続すると近視進行が抑制されることが分かってきました。2年間継続して使用することで目の長さが伸びるのを23-63%抑制します(論文#1, #2)。12歳以下での装用開始で30-60%の近視進行が抑制されます(#3)。近視抑制のための装用開始年齢は6-12歳。-1Dから-4Dの近視に適応があります。
[論文]
#1 Kakita et al., Influence of overnight orthokeratology on axial length elongation in childhood myopia. Invest Ophthalmol Vis Sci 52: 2170-2174, 2011
#2 Charm and Cho, High myopia-partial reduction ortho-k: a 2-year randomized study. Optom Vis Sci 90: 530-539, 2013
#3 Hiraoka et al., Safety and efficacy following 10-years of overnight orthokeratology for myopia control. Ophthalmic Physiol Opt 38: 281-289, 2018
オルソケラトロジーにより生じる眼障害は日中に装着するコンタクトレンズと同程度かそれ以下です
日中に装着する一般のコンタクトレンズと同様に細菌性角膜炎などになる可能性がありますが、日中につけるコンタクトレンズより眼障害の起きる確率は低いと報告されています。しかし、洗浄が不十分だと角膜炎などの原因になりますので、レンズは毎日決められた方法で洗浄し、決められた頻度で眼科を受診してください。
治療の流れ
オルソケラトロジーは保険適応のない自由診療です。
1. 適応検査&トライアル装用 5,500円
- 初日にオルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度合いや眼の健康状態を調べる「適応検査」を受ける必要があります。
- 適応検査で問題なければ引き続きトライアルレンズを装用します。
- トライアルレンズを装着して問題なければ、個々の患者様の目の状態に合わせた専用レンズを注文します。1週間後にお試し装用が開始になります。
- 適応検査、トライアルレンズ装用で問題があれば、専用レンズ注文はしません。
2. お試し装用 55,000円(両眼の場合 : 片眼の場合は40,000円)
- 個々の患者様の眼の状態に合わせた専用レンズがクリニックに届きます。親御さんを交えた、レンズ装用、とりはずしの練習をします。
- 2週間お試し装用をしていただき再度受診していただきます。お試し装用開始日~2週間後までの専用レンズ使用料、検査費用、初回ケア用品が代金に含まれます。
- 満足な視力改善がえられない場合、専用レンズを別の規格で再注文して再度お試ししていただく場合があります
- 【返金保証】お試し装用をして効果に満足しないなどの場合、専用レンズを注文して1ヶ月以内であれば治療を中止することができます。その場合33,000円(片眼の場合16,500円)ご返金致します。
- 治療を中止する場合、専用レンズを返却していただく必要があります。
3. 治療継続 110,000円(片眼の場合55,000円)
お試し装用で問題なければ、継続してレンズを使用していただきます。代金には、レンズ使用料+専用レンズ注文後2年間の定期検査・診察代(継続1か月後、その後3か月ごと7回)、専用レンズの破損交換保障(専用レンズ注文1年以内、片眼につき1回)、3か月ごとに交換するレンズケースが含まれます。
4. 定期検査
治療を継続している間は、3ヶ月ごとに定期検査を受診していただく必要があります。定期検査では、近視の状態、眼の健康状態、レンズの検査などを行います。専用レンズ注文2年目以降の検査診察は3か月に1度3,300円。レンズ交換は1眼33,000円です。2年に一度のレンズ交換が推奨されています。
※治療の継続を希望しても、眼の健康状態などにより治療を続けられない場合もあります。
【診察スケジュール】
適応検査→装用練習(→治療開始)→2週間後→1か月後→3か月後→以後3か月後、または医師が指定した日
注意事項
- オルソケラトロジー治療中に、眼科医が必要と判断した眼科的治療を受けてください。
- 眼科的治療に対する費用は別途かかります。
- 本治療は保険対象外、自由診療となります。
- 医療費控除の申請が可能です。当院から発行した領収書は大切に保管してください。